ケベック・シャルルボアしあわせキュイジーヌの旅

11

おいしすぎる島(2)

おいしいものに溢れたクードル島での昼食には、「ブランジェリー・ブシャール(Boulangerie Bouchard)」というシャルルボアでも評判のパン屋さんを選んだ。この写真の「パテコッシュ」というのが、クードル島伝統の料理。中に入っているのは豚肉や子牛の肉。両方を混ぜて使うこともあるそうだ。

このパテコッシュにフルーツケチャップを付けて食べる。島に来る前、ベ・サン・ポールで緑のトマトを使ったケチャップを見たけれど、こっちはフルーツ・ケチャップ。

これを付けると甘味とジューシーさが増して、パテコッシュがぐっとおいしくなる。たぶん、これは必須の組み合わせなんだと思う。

こっちは地元で「ヒューガス」と呼ばれているフランス風のピザ。生地にはパンが使われている。

こうしたパンにサラダとデザートが付いたランチセットみたいなのをトレイに乗せてくれる。店の横にはテーブルとベンチ、パラソルがあって、セントローレンス川を臨みながら陽の光の中で昼食。

食べながら見ていると、ひっきりなしに車がとまり、地元の人たちがパンを買い込んでいく。

人気の店を仕切るおかあさんが現れた。写真を撮らせてくれるよう頼むと、自ら店の中に戻り、いっしょに写るパンをチョイスしてきてくれた。手にしてきたのは、おかあさんの顔ぐらい大きなパンだ。

この後、おかあさんがしているのと同じ店のマークが入ったエプロンをプレゼントされ、いっしょに記念撮影。お礼に、ということじゃないけれど、もう1つ、ランチでいただいたパンのセットの写真も載せておきたい。

どれもみんなボリュームがあって大満足だ。

さて、「おいしすぎる島」、クードル島から再びフェリーに乗り、ベ・サン・ポールへと戻った。この日のうちにもう1カ所、見ておかなくてはならない農家があったんだ。

「ヴォリエール・ベ・サン・ポール(Volieres Baie-Saint-Paul)」という農家で、キジ、ホロホロ鳥、ウズラなどを飼育している。肉そのものやパテのような加工品などを販売している。

他にも豚や羊なんかも育てていて、こうした鳥や動物たちを地元の子供たちが見学にきたりするのだという。

見学だけならまあ普通だけれど、ここでは有料でキジやウズラのハンティングもできるというんだから、日本の農家とは随分とイメージが違う。多角経営みたいなことだろうか。

キジを見ることがメインだったけれど、あいにくほとんどが「出荷」された後で、残り少なくなったキジを見せてもらった。

近づくと、ネットを張ったエリアの中でキジはバタバタと逃げ回るんだけど、農家の人はさすがなもんで、あっさりとキジを捕まえてくれた。

そのうちに、撮影しやすいようにというサービスなのだろうか、キジの足の関節をぐいっと何かすると、キジは急に動けなくなってバッタリ。仕組みはよく分からないんだけど、どうにかしてひねると一時的にキジの関節が外れたりするみたいだ。でも少し経つと自然に元に戻るらしく、また自ら歩いて逃げていった。いやあ、不思議だ。

この農家で話をしていて気付いたんだけど、時々、「トランフォーム(transform)」という言葉が出てくるんだ。実はこのあとのシャルルボアの旅でも、引き続き何度も耳にすることになるんだけど、どうやら鳥とか家畜を肉にしたりすることを「トランフォーム」と言っているようだ。

英語は得意じゃないけれど、それにしても普通にこんな使い方をするんだろうか。

僕みたいな人間とでは食べる対象である動物との距離感とか関係性が違うんだろうと思う。それにしても、「トランフォーム」かあ。なんだか変身ロボットみたいで、どうもしっくりこないなあ。

ケベック・シャルルボアしあわせキュイジーヌの旅
  1. 「しあわせ」いっぱいの旅が始まる
  2. 列車はあの滝から出発した
  3. 「しあわせ」なチーズの王国
  4. 可愛いけれど、おいしそう
  5. 緑色のケチャップ
  6. 「シルク・ド・ソレイユ」が舞い降りた
  7. 再び「ワンダケ」へ
  8. 「創始者」がいた店
  9. ハンク鈴木さんに出会った
  10. おいしすぎる島(1)
  11. おいしすぎる島(2)
  12. 冬の誘惑
  13. 続・再び「ワンダケ」へ
  14. 「しあわせ」すぎる夕食
  15. 「しあわせ」な人たちが暮らす場所

著者プロフィール

平間 俊行 (ひらま としゆき)

報道機関で政治・選挙報道に携わる一方、地方勤務時代には地元の祭りなど歴史や文化に触れる取材に力を入れる。現在は編集部門を離れ、別分野の事業を担当しながら度々カナダを訪れ、カナダの新しい魅力を伝え続けている。